中間決算シーズンが終わり、2024年度も折り返しになりました。そこで、直近の決算内容が良好だった企業のなかから、私が今後の株価上昇が期待できると感じた企業7社をピックアップして紹介したいと思います。今回ピックアップした銘柄の選定基準については以下の記事で紹介しています。
また、ピックアップした各企業のビジネス内容についてもそれぞれ簡単に紹介していきますので、興味があれば、是非参考にしていただけると嬉しいです。
2024年下半期 注目企業7選リスト
まずは、今回ピックアップした企業7社の一覧を以下の表に示します。
銘柄コード | 企業名 | 業種 |
1723 | 日本電技 | 建設業 |
3150 | グリムス | 電力・ガス |
5071 | ヴィス | 建設業 |
6231 | 木村工機 | 機械 |
7735 | SCREEN HD | 電気機器 |
7740 | タムロン | 精密機械 |
8117 | 中央自動車工業 | 卸売業 |
日本電技(1723):ビル・工場の空調コントロールに強み
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- 収益性
- 5
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- 経営効率
- 2
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- 成長力
- 4
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- 割安度
- 5
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- 株主還元
- 3
株価・業績指標 | |
PER | 9.8倍 |
PBR | 1.5倍 |
ROE | 14.3% |
営業利益率 | 16.1% |
配当利回り | 3.0% |
日本電技は、ビルや工場、病院などの大規模な建物に必要な空調設備の設計・管理・メンテナンスまでを一貫して実施している建設企業です。空調の状態を把握してコントロールする「計装」と空調機器の調達・工事などを行う「エンジニアリング」どちらにも強い数少ない企業です。
空調設備が重要視される半導体工場やデータセンターの建設ラッシュの追い風を受けて、業績を急速に伸ばしています。
直近の11/5に発表された中間決算では、通期利益23%増の大幅な上方修正、増配と非常に好調な業績を発表しており、今後の更なる業績拡大に期待が持てると考えます。
グリムス(3150):太陽光発電設備・蓄電池で電気代削減に貢献
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- 収益性
- 5
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- 経営効率
- 5
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- 成長力
- 5
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- 割安度
- 3
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- 株主還元
- 2
株価・業績指標 | |
PER | 14.1倍 |
PBR | 4.2倍 |
ROE | 31.0% |
営業利益率 | 17.4% |
配当利回り | 2.1% |
グリムスは、中小企業や家庭向けに太陽光発電用設備や蓄電池を販売し、省エネに向けたコンサルティングを行っている企業です。太陽光発電所を買い取り、電力の小売り事業にも参入し事業の拡大を図っています。低圧電力~高圧電力まで対応できる対応力の高さや、住宅メーカとの提携を生かした販売戦略を強みとしています。
昨今の円安の進行によって、エネルギー価格が高騰し電気代も上がっており、企業・家庭において太陽光発電を取り入れる動きは加速していくと考えます。その流れに沿ったグリムスの業績も向上していくことが期待されます。
直近11/14の中間決算では、前年同期比+7.2%の純利益の増加を発表しており、順調に業績を拡大していることが示されました。
ヴィス(5071):働きやすいオフィスデザインで実績豊富
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- 収益性
- 3
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- 経営効率
- 4
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- 成長力
- 3
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- 割安度
- 4
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- 株主還元
- 2
株価・業績指標 | |
PER | 11.1倍 |
PBR | 1.8倍 |
ROE | 18.3% |
営業利益率 | 10.6% |
配当利回り | 2.7% |
株式会社ヴィスは、働く人の快適性・生産性向上を重視したオフィスデザインを提供することに特化した企業です。豊富な実績と高いデザイン力を武器に、企画からオフィス施工までワンストップで実現できることに強みを持っています。
2020年の新型コロナの感染拡大をきっかけにオフィス勤務からリモートワークへの移行が進んだ一方で、オフィスに集まって勤務することの重要性が再認識されはじめたことで、業績を拡大していると考えています。
直近11月13日の中間決算では、前年同期比+95%の純利益の増加と非常に好調な業績を発表しており、通期業績の上方修正の期待が高まっています。
木村工機(6231):空調機器開発に特化

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- 収益性
- 5
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- 経営効率
- 5
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- 成長力
- 4
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- 割安度
- 5
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- 株主還元
- 1
株価・業績指標 | |
PER | 9.0倍 |
PBR | 1.9倍 |
ROE | 23.7% |
営業利益率 | 19.3% |
配当利回り | 1.7% |
木村工機は、工場やデータセンターなどの大規模な建物に使われる空調機器の製造を行っている電気機器メーカーです。最初に紹介した日本電技は空調設備の施工を行う企業で、木村工機は施工される空調設備を製造する企業という違いがあります。
顧客のニーズや空調設備が設置される環境に合わせて、最適な空調機器をカスタマイズで設計・製造し提供できることが強みです。この会社も、日本国内での半導体工場・データセンターの建設ラッシュの恩恵を受けており、今後の国内への生産回帰を追い風に業績を伸ばしていくことを期待しています。
直近11/8の中間決算では、経常利益+5%の増加と自社株買いを発表しており、強い業績と株主還元の強化を示しました。
SCREEN HD(7735):半導体の洗浄工程で高シェア
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- 収益性
- 5
-
- 経営効率
- 5
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- 成長力
- 3
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- 割安度
- 4
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- 株主還元
- 2
株価・業績指標 | |
PER | 11.0倍 |
PBR | 2.2倍 |
ROE | 21.0% |
営業利益率 | 18.7% |
配当利回り | 2.7% |
SCREEN HDは、半導体の材料であるシリコンウエハを洗浄する装置を主力製品とする電気機器メーカーで、ウエハ洗浄装置では世界シェアNo.1を誇ります。ほかにも、液晶の製造に必要なウエハ上に薬品を均一に塗布する製造装置や、ウエハに欠陥がないかチェックするための外観検査装置なども手掛けており、高い信頼性を強みに半導体製造には欠かせない企業になっています。
ChatGPTなどの生成AIの技術が社会で求められていく中で、高性能の半導体の需要は増加傾向をたどるとみられ、SCREEN HDの半導体製造装置も売り上げを伸ばしていくことが期待されます。
直近10月31日の中間決算では、以下の内容が発表されており好調な業績を裏付けています。
- 前年同期比+47%の純利益の増加
- 通期業績の上方修正
- 年間配当の14円増配
タムロン(7740):カメラ用交換レンズで独自の地位を確立
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- 収益性
- 5
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- 経営効率
- 3
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- 成長力
- 3
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- 割安度
- 3
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- 株主還元
- 2
株価・業績指標 | |
PER | 12.7倍 |
PBR | 2.4倍 |
ROE | 16.5% |
営業利益率 | 19.1% |
配当利回り | 2.8% |
タムロンは、カメラ用の交換レンズを主力製品として持つ光学メーカーです。ソニーやニコンなどのカメラメーカーと比べレンズの製品開発に注力しているため、安くて高性能なレンズを供給できる強みを持っており、カメラ愛好家から根強い人気があります。また、監視カメラや車載用カメラといった新規市場にも参入して販売量を伸ばしており、今後の業績の拡大が期待されます。
直近の第3四半期の決算では、前年同期比で50%以上の純利益増加、通期純利益の上方修正を発表しており、業績の好調さがうかがえます。
中央自動車工業(8117):カーコーティング剤で高収益
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- 収益性
- 5
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- 経営効率
- 4
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- 成長力
- 4
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- 割安度
- 4
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- 株主還元
- 2
株価・業績指標 | |
PER | 11.0倍 |
PBR | 1.7倍 |
ROE | 17.3% |
昨年度営業利益率 | 25.9% |
配当利回り | 2.9% |
中央自動車工業は、自動車のボディを新品同様に保つコーティング剤を主力製品とする自動車用品の卸売り企業です。アルコール検知器なども手掛けています。撥水性が高く性能のいいコーティング剤の開発能力と全国のカーディーラーへの販売網を生かし、高い収益を上げ続けています。
11/14の中間決算では、前年同期比8%の純利益の増加と増配を発表しており、業績の好調さと利益を株主に還元する姿勢を見せています。
中央自動車工業について以下の記事で特集しているため、興味があれば参考にしてみてください。
まとめ:中間決算から上方修正が期待できる銘柄を探そう
今回は、3月期決算企業の中間決算シーズンが終わったところで、決算内容が良かった企業の中から、私の投資基準にあった企業7社をピックアップして紹介しました。いずれも直近の決算内容が好調で、高い収益性と経営効率を実現している企業であり、今後の株価動向に注目しています。
皆さんも自分の気になっている企業の直近の決算をチェックして、今後業績の上方修正が期待できそうな企業を探してみてはいかがでしょうか。