【個別銘柄分析】不動産企業 ディア・ライフ(3245) を株価分析

銘柄分析

今注目すべき業績を上げている企業をピックアップして紹介します。今回は不動産企業である「ディア・ライフ」について徹底分析します。この企業は、以前2024年3月時点の注目企業の一つとして、以下の記事で紹介しました。

この企業が一体どういった企業なのか、どんな強みを持っていて今後成長していくのかについて分析します。ぜひ参考にしてみてください。

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ディア・ライフとはどんな企業?

まずディア・ライフとはどんな企業なのか紹介します。

企業プロフィール
会社名ディア・ライフ株式会社
証券コード3245
株式市場プライム市場
本社所在地東京都千代田区九段北一丁目13番5号
ヒューリック九段ビル2F
設立年2004年11月1日
資本金41億2,500万円
従業員数37名
事業内容リアルエステート事業(プリンシパルインベストメント事業)
引用元:会社概要|ディア・ライフについて|株式会社ディア・ライフ

株式会社ディア・ライフは首都圏に強みを持つ不動産デベロッパー企業です。特に、単身者やDINKS(共働きで子どものいない家庭)向けのハイグレードマンションの開発や、商業・オフィスビルへの投資など、不動産全般に関わる事業を展開しています。

ディア・ライフの強みとは?

ディア・ライフという企業の強みとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 首都圏の不動産に特化した事業戦略
  • 不動産の価値を見抜く優れた目利き力
  • 迅速な不動産開発プロジェクトの進行

上に挙げた3つの強みについて順番に解説していきます。

首都圏の不動産に特化した事業戦略

都心のビル群の写真

ディア・ライフのほかの不動産企業との最も大きな違いとして、首都圏の不動産に特化しているということが挙げられます。中でも都心23区のターミナル駅から30分圏内のエリアに絞り込むことで、社員数37名という少数精鋭でも効率よく大きな利益を上げられるビジネスモデルを確立しています。

この事業戦略が見事に的中し、都心エリアの物件価格が年々高騰していく中で競合を寄せ付けない圧倒的な地位を獲得しています。

不動産の価値を見抜く優れた目利き力

不動産価格の見極めイメージ

ディア・ライフは、首都圏の物件の中でも「職・食・住」面の利便性が良好なエリアへの投資を集中して強化しています。これにより、生活利便性の高く不動産価値の上昇を見込めるエリアを重点的に開発することができています。これは、ディアライフの社員が首都圏エリアについて熟知していて不動産の価値を目利きする力に優れているからこそなせる技だといえます。

迅速な不動産開発プロジェクトの進行

不動産開発の一気通貫進行とは何か示す図
引用元:事業のご紹介|事業・サービス|株式会社ディア・ライフ

ディア・ライフでは、一つの不動産開発プロジェクトに対し専任スタッフが一気通貫してプロジェクトを進行する事業スタイルを実現しています。用地の取得から建築物の設計・運営管理に至るまで専門の設計事務所やゼネコンと緊密に連携をとって、プロジェクトを進行できる優れた人材がそろっているということです。この強みにより、他社にはまねできないほど迅速な不動産開発プロジェクトの進行ができるというわけです。

投資先としてみたディア・ライフ

ディア・ライフの株価動向

ディア・ライフの直近5年間の株価の推移を以下に示します。2022年後半に入ってから長期的な上昇トレンドを形成し、現在もそのトレンドが継続している状態です。

株式会社ディア・ライフの直近5年間の株価月足チャート
引用元:株式会社ディア・ライフ 株価月足チャート|SBI証券 

ディア・ライフのファンダメンタル分析

ディア・ライフの株価水準と収益性についてのファンダメンタル分析した際の、主な指標の一覧を示します。

株価指標・業績情報
PER8.9倍
PBR1.9倍
ROE19.3%
ROA10.3%
2023年売上43503 百万
2023年営業利益率14.0%
配当利回り4.5%
配当性向41.9%
直近10年 配当実績増配5 減配5
引用元:2023年9月期 決算短信|株式会社ディア・ライフ

ディア・ライフの株価水準は、PERから見ると8.9倍と割安な水準です。にもかかわらずROE19.3%、ROA10.3%と効率的に非常に高い利益率をたたき出しています。配当利回りも4.5%と平均越えの水準で配当を出しており、株主還元にも積極的といえます。一方で直近10年の配当実績を見ると、増配が5回ある一方で、減配も5回あるところが懸念ポイントとなります。

ディア・ライフの成長性について

ディア・ライフの今後の成長性についてですが、以下2つの点から今後も順調に成長を続けていくことができると考えています。

  • 首都圏の不動産価格の上昇トレンドの継続
  • 金利上昇による影響の少なさ

首都圏の不動産価格の上昇トレンド継続

日本における不動産価格について物件種別ごとの推移を示します。

2008年から2023年までの住宅種類別の不動産価格の推移グラフ
引用元:不動産住宅価格指数(住宅)(令和5年12月分)|国土交通省

上記グラフから分かるように、2013年に入ってからマンション価格の上昇が継続しており、他の戸建て住宅・住宅地とは比べ物にならないほどの高騰ぶりを見せています。これは、ハイグレードマンションを取り扱うディア・ライフにとっては追い風になるでしょう。

さらに、日本における商業用不動産の価格推移データについても以下に示します。

2008年から2023年の商業用不動産の価格推移を示すグラフ
引用元:不動産住宅価格指数(住宅)(令和5年12月分)|国土交通省

商業用不動産についても、2013年ごろから主に店舗・オフィス・マンション/アパート(1棟)の価格は上昇を継続しており、首都圏エリアのオフィスビルを取り扱うディア・ライフにとって更なる追い風となるでしょう。

金利上昇による影響が想定より小さい

2024年に入ってから日本銀行の方針転換によりマイナス金利は解除されましたが、不動産価格の上昇の流れは現在まで好調を保っており、物価上昇の影響を受けつつも、住宅ローンの超低金利状態は続いているため、不動産購入需要は底堅く推移すると想定されます。

まとめ:首都圏住宅価格の上昇を追い風に成長を期待!

今回は、不動産企業の中からディア・ライフ株式会社について取り上げました。今回の内容をおさらいすると、ディアライフという企業は、以下の強みを持った不動産デベロッパーです。

  • 首都圏の不動産に特化した事業戦略
  • 不動産の価値を見抜く優れた目利き力
  • 迅速な不動産開発プロジェクトの進行

投資先としてディア・ライフという企業を見た場合には、株価は2011年から長期的な上昇トレンドに入って現在も継続していること、PERをもとに株価はいまだに割安水準にあること、ROE19.3%、営業利益率14.0%と驚異的な利益をたたき出していることが分かります。

今後の成長についても、不動産価格の上昇トレンドは継続しており特にマンションやオフィスビルの高騰は目覚ましく、ディア・ライフにとって今後も成長が期待できる環境が整っていると考えられます。今回の分析結果からすると、ディア・ライフは投資先として非常に有望だと判断できます。