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どのタイミングで株を買えば損しにくいんだろうか?
NISA制度を活用して、投資信託や個別企業の株への投資を始めた方も多いのではないでしょうか。実際に始めてみると、どのタイミングで株を買って、どのタイミングで売ればいいのか迷うと思います。
そこで、この記事では初心者でも理解できるよう、投資信託と個別株投資に分けて、なるべくリスクを小さく売買するタイミングについて、実例を交えながら解説します。株式投資における売買タイミングに悩んでいる方は、是非この記事を読んで参考にしてみて下さい。
投資信託を買うタイミングとは?

全世界株式やS&P500などの主要指数に連動したインデックス型投資信託を購入するタイミングについては、「一定金額を毎月積立てで購入すること」をオススメします。その理由としては、「時間を分散してリスクを減らすこと」が重要だからです。
シミュレーションとして、同じ120万円を1月に一括投資する場合と、毎月10万円ずつ積み立て投資する場合の一年間の投資成績について、次の二つの場合に分けて考えてみましょう。
- 毎月+1%で株価が上昇し続ける相場の場合
- 4月に-15%の暴落が起こり、それ以外は毎月+1%で株価が上昇し続ける相場の場合
①のように、上昇相場が続くなら1月に一括で投資する方が投資成績は良くなります。しかし、長期的に投資していくうえで市場の暴落を避けることはできません。4月に市場の暴落が起きる場合には、毎月10万円ずつ積み立て投資する方がリターンを得られます。このように、市場環境が悪くなった場合のリスクに備えられるよう、「一定金額を毎月積立てで購入すること」をオススメします。


投資信託を売るタイミングはいつ?

では、購入し続けた投資信託はいつ売ればよいのでしょうか。それは、皆さんの目標とする金額に達するまでは売らずにほったらかすことをオススメします。理由としては、以下の二つです。
- 長期投資する方が損失を抱えるリスクが小さい
- 投資で得た利益に対して税金がかかるタイミングを先延ばしにできる
理由①:長期投資する方が損失を抱えるリスクが小さい
長期投資すること自体には、投資で損するリスクを抑える効果があります。下の図は、S&P500のように広く分散投資した場合の、1950年~2017年の期間内の投資期間と年平均のリターンのデータを表しています。これを見てお分かりの通り、長期で投資し続けるほど損失を被る確率は低くなります。そのため、目標とする金額までほったらかすことをオススメします。
引用元:「ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理」 バートン・マルキール著
理由②:投資で得た利益に対して税金がかかるタイミングを先延ばしにできる
投資で得た利益については、通常は20.315%の税金が発生します。(新NISA制度の成長投資枠・つみたて投資枠で投資した分については、税金は発生しませんので非常にお得な制度です。)
もし、短期間で売買を繰り返してしまうと、得た利益に対して毎回税金が発生してしまい、もったいないです。そのため、保有した株を売らずにおくのは節税効果のメリットもあるということです。
個別株を買うタイミングはいつ?

では、投資信託ではなく各企業の株式に直接投資する個別株投資の場合、買うタイミングをいつにすればよいのでしょうか。これは、以下の二つの条件を満たしていることが確認できれば、買うタイミングになっていると判断しています。
銘柄選別基準に適合しているか確認する
まず必要なのは、投資しようと考えている企業の業績が皆さんの銘柄選別基準を満たしているかを確認することです。ここをまず確認しなければ、投資を行う際の判断の軸がぶれてしまいますので注意が必要です。銘柄選別基準についてまだ決まっていないという方は、以下の記事で銘柄選別基準の決め方について取り上げていますので、参考に決めてみてください。
株価が上昇トレンドに乗っているか確認する
投資しようと考えている企業が、皆さんの銘柄選別基準をクリアしていることが確認出来たら、その企業の株価の動きを確認しましょう。株価の動きはSBI証券・楽天証券などの皆さんが証券口座を保有している証券会社のアプリから簡単に確認できます。まだアプリをスマートフォンに入れていない方は下記のリンクからダウンロードしておくと便利です。
SBI証券「株アプリ」:
Androidのスマートフォンをお持ちの方はこちらから↓
iPhoneをお持ちの方はこちらから↓
楽天証券「iSPEED」:
Androidのスマートフォンをお持ちの方はこちらから↓
iPhoneをお持ちの方はこちらから↓
企業の株価トレンドの確認方法:「月足」の「移動平均線」を見よう!
各証券会社のスマートフォン用アプリなどから購入しようと考えている企業の株価チャートを確認し、今の株価のトレンドがどうなっているかを確認しましょう。私がオススメする株価のトレンドの確認方法は、月足の移動平均線を見ることです。
具体例として、トヨタ自動車(7203)の株価の月足チャートを見てみましょう。

赤と緑の帯に線がくっついたようなマークで示されているのが、各月の株価の動きを示す「ローソク足」といいます。それと一緒に表示されている、ピンク色・青色・緑色の3色の線が「移動平均線」です。これは、一定期間(ピンク色は12カ月・青色は24カ月・緑色が60カ月)の株価の平均値をグラフとして示したものになります。
この3色の移動平均線の内、24カ月移動平均線(青色ライン)と60カ月移動平均線(緑色ライン)が上向きになっていれば、株価が長期的な上昇トレンドに乗っている状態だと私は判断しています。
個別株を売るタイミングはいつ?

個別株投資で保有している銘柄の株を売って利益確定するタイミングについては、以下2つのサインがあれば、私は売却を検討しています。
順番に説明していきます。
株価の長期の下落トレンドに転換したとき
個別株を売る1つ目のサインについてですが、株価の長期トレンドが下降トレンドに変わってしまったときが挙げられます。買うタイミングの時と同じく、企業株価の長期トレンドを月足の移動平均線でチェックすることをオススメします。私の場合、24カ月移動平均線が下向きになったら売却を検討します。
企業業績が悪化し、自分投資先基準から外れてしまったとき
企業の業績が悪化し、自分で設定した投資先基準から外れてしまったときも、投資すべき対象ではなくなったと判断し、売却を検討します。これは、皆さんなりの基準をもとに判断してみることをオススメします。
まとめ:長期投資目線で考えて売買しよう
今回は、投資信託・個別株投資に分けて、売るタイミング・買うタイミングがいつなのかについて実例を交えながら解説しました。内容をおさらいすると、投資信託の売買タイミングについては以下の内容を紹介しました。
インデックス型投資信託を定額毎月購入するよう設定し、時間を分散してリスクを減らす
皆さんの目標金額に達するまでは、基本的にほったらかしでOK!
個別株投資の売買タイミングについては、私の売買タイミングを参考例として紹介しました。
- 自分で設定した投資先基準を満たしている
- 月足の移動平均線をもとに、株価が長期上昇トレンドに乗っていることを確認する
- 月足の移動平均線をもとに、長期トレンドが下降トレンドに転換した時
- 企業業績が悪化し、自分の投資先基準から外れてしまったとき
共通していえるのは、短期目線ではなく長期投資目線で株式投資に取り組んでみることが大事ということです。今回の記事の内容を参考に、安定して利益を得られる皆さん独自の売買タイミングを探してみてください。