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自分が選んだ企業に投資してみたいけど、どう選んだらいいかわからない・・
これから株式投資を始めようと考えている方に向けて、株式投資のはじめの一歩として、インデックス型投資信託に投資してみることを以下の記事で紹介しました。
インデックス型投資信託は、一度投資してしまえばあとはほったらかしておくだけという魅力はありますが、味気がないのも事実です。実際に、当ブログ運営者である私も投資を始めた際は、インデックス型投資信託への投資から始めましたが、つまらないと感じてしまう部分もありました。
そこで今回は、私がメインで取り組んでいる投資方法である、個別企業に対して投資をする「個別株投資」について解説しようと思います。今回の記事を読めば、個別株投資のメリットや、投資する銘柄をどのように選べばいいかが分かります。
個別株投資をするメリットとは?

株式投資の一環として、個別株投資にチャレンジすることは皆さんにとってきっとメリットがあると考えます。その理由として、以下の3つを挙げます。
- 経済についての知識が自然と身につく
- 配当金で定期的に副収入が得られる
- 銘柄によっては株主優待をもらえる
経済についての知識が自然と身につく
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個別株投資の1つ目のメリットとして、経済情報についての知識が自然と身につきます。個別株投資を行う上では、投資先の企業のことや現在の世界の経済動向について知る必要があります。そのため、普段から経済ニュースを見るようになったり、企業のビジネスや製品について、自然と情報を取り入れる習慣がつきます。
この知識を取り入れる習慣は、投資のためだけでなく普段の仕事や生活の中でもきっと役に立つと考えています。
配当金で定期的に副収入が得られる
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個別株投資の2つ目のメリットとして、定期的に配当金という収入を得られます。個別株投資を行い企業の株式を保有し続けていると、保有している企業によってさまざまですが、年に数回配当金を得ることができます。(株式を保有していると配当金を得られるタイミングを「権利付き最終日」と言います)
これは、株式投資を始めたばかりの人からすれば、お小遣い感覚で収入が得られるので、投資のモチベーションにつながるメリットがあります。
株主優待をもらえる:投資先企業の魅力に出会える

個別株投資の3つ目のメリットとして、投資する企業によっては株主優待がもらえることを挙げます。株主優待は、株式を保有している株主に対して、企業からの感謝の気持ちとしてカタログギフトや商品券・クオカードなどを得ることができる制度です。
この株主優待制度を活用することによって、その投資先の企業のことについてよく知る機会になるだけでなく、お得感を得ることもできます。
日本株の個別株投資をオススメする理由

私は、日本企業への個別株投資をオススメしています。その理由としては、先ほど挙げた3つに加えて、身近にその企業の商品・製品があるので投資しやすいからです。例えば、自動車産業であれば「トヨタ自動車」、ゲーム機であれば「任天堂」、飲料であれば「キリンHD」など皆さんの生活になじみのある企業が多く、どういった製品やサービスを提供しているかすぐに思い浮かぶと思います。
株式投資においては、投資先の企業がどういったビジネスをやっているかを理解していることは非常に重要なので、こういった観点からも日本企業への投資をオススメします。
上手くいく投資先企業の探し方

では、実際に投資する対象の日本企業を探すにはどうすれば良いのか、先人の知恵をベースに自分なりの投資銘柄の選別基準を探していくことをオススメします。ゼロから基準を決めていくのは勉強に時間がかかるうえ、投資先を見誤って損失を抱えてしまうリスクが大きいです。
そこで、私の場合はバリュー投資の父といわれる「ベンジャミン・グレアム氏」と投資の神様といわれる「ウォーレン・バフェット氏」の投資の対する考え方を書籍から学び、自分なりの投資先の選別基準を作りました。実際に投資先の選別基準を考えるにあたって参考にした書籍を紹介しておきます。ご興味があれば読んでみてください。
賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法-
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ベンジャミン・グレアム氏の投資に対する考え方や投資先企業を見極めるための具体的な指標について書かれた書籍です。企業価値を評価し、企業価値に対して割安な株価水準になっている企業を探し、株式を長期保有して利益を得る「バリュー投資」について学ぶことができます。書籍内で紹介されている企業の実例が1960年代の米国企業となじみがないかもしれませんが、投資をする上で一度は読んでおくべき価値のある書籍です。
億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術
ウォーレン・バフェット氏の投資先企業の選び方について記載された書籍です。市場において消費者を独占し優位に立ちつづける企業の見極め方や、株式を保有し始めるタイミングについて理解しやすくまとめられています。世界一の投資家として名高いバフェット氏の投資の考え方に触れることができる良書です。
具体的な投資先基準の例を紹介:有望な企業を探してみよう!
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では具体的にどうやって有望な企業を選べばいいかについて解説します。それは「各企業業績をチェックし、自分なりの投資先基準を満たすかどうかで決める」ことが大事です。
上記で紹介した書籍の内容をもとに作成した、私が投資先の企業を選別する際に使っている基準を一例としてご紹介します。これらすべての基準を満たす企業を私は投資先候補として考えています。自分なりの投資先基準を作る際の参考にしてみてください。
- PER ≦ 15倍
- 直近10年間黒字経営を継続
- 直近10年配当を継続
- 売上高100億円以上
- 直近10年営業利益率の伸び ≧ 2倍
- 営業利益率 ≧ 10%
- ROE ≧ 15%
1~4の基準はベンジャミン・グレアムの投資基準、5~7の基準はウォーレン・バフェットの投資基準を参考にしています。これらの指標は、「バフェット・コード」という企業業績情報を網羅しているWebサイトがあるため、こちらを活用して確認することがオススメです。
紹介した各基準の意味を簡単に解説していきます。
PER ≦ 15倍
PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)は、下の式であらわされる指標で、企業が今後どれだけ成長すると投資家から期待されているかが分かります。PERが高いほど、投資家からの成長期待が高いということです。
\(PER = \dfrac{株価収益率}{株価}\)
直近10年間が黒字経営
企業は、2020年のコロナショックや2008年のリーマンショックなどの不況の波にさらされることも多々あります。そんな中でも常に黒字経営を維持していることは、リスクに対してしっかり備え、利益を確保できる体制が整っている企業だからだと考えています。
直近10年間配当を継続
2個目の基準と重なる部分もありますが、配当金を継続して出し続けられるほど企業財務がしっかりしており、株式を保有している株主へ還元しようという姿勢を見るための基準として設定しています。
売上高100億円以上
売上高の小さいベンチャー企業などは、一日の株式の出来高が小さい傾向があり、一部の大型の投資家の動きによって株価が乱高下してしまうリスクや、企業に対する投資家の期待値が大きすぎて割高になる傾向にあるため、一定の規模の企業に絞り込めるようこの基準を設定しています。
直近10年での営業利益の伸び ≧ 2倍
企業の利益成長は、投資家からの成長期待から株価上昇だけでなく、株主還元の増加の源です。長期投資先の企業を選定するうえでは、非常に重要な観点だと考えて設定しています。
営業利益率 ≧ 10%
営業利益率は下の式で計算される指標で、企業に入ってくる売上高のうちどの程度の割合が本業の利益である営業利益につながっているかが分かります。
\(営業利益率 = \dfrac{営業利益}{売上高}×100 \lbrack\%\rbrack \)
企業の売上高がどれほど大きくても、利益につながらないのであれば企業は成長を続けていくことはできません。なので、売上げをどれだけ効率よく利益につなげられているかを判断するために、この基準を設定しています。
ROE ≧ 15%
ROE(Return On Equity:投下資本利益率)は、下の式で計算される指標で、投資家から集めた資金(自己資本)を企業の純粋な利益(純利益)にどれだけ効率良く変えられているかが分かります。
\( ROE = \dfrac{純利益}{自己資本}×100 \lbrack\%\rbrack \)
ROEが高いほど効率よく投資を利益に変えられているということで、投資家からの評価が高くなります。
まとめ:皆さんのオリジナルの銘柄選別基準を作ってみよう!
今回の記事では、個別株投資をオススメする理由、投資する銘柄をどうやって選んでいくかについて解説しました。個別株投資を行うメリットとしては、以下の3つを紹介しました。
- 経済についての知識が自然と身につく
- 配当金で定期的に副収入が得られる
- 銘柄によっては株主優待をもらえる
また、投資に適した企業を業績情報をもとにどう選んでいくかについて、参考として私が実際に投資する銘柄を選ぶ際に使っている基準を紹介しました。
- PER ≦ 15倍
- 直近10年間黒字経営を継続
- 直近10年配当を継続
- 売上高100億円以上
- 直近10年間営業利益率の伸び ≧ 2倍
- 営業利益率 ≧ 10%
- ROE ≧ 15%
今回の内容を参考に、皆さんも投資したい企業を選ぶ際に自分なりの選別基準を探してみることをオススメします。自分なりの投資基準をもとに選んだ企業で利益を得られれば達成感を得られますし、投資する企業を選ぶ際にも、迷いなく判断できるようになるはずです。今回の記事をもとに個別株投資に興味を持っていただけたなら嬉しいです。