今回の記事では、今注目すべき企業をピックアップして銘柄分析をして紹介します。今回取り上げるのは、証券コード:3924の「株式会社ランドコンピュータ」です。この企業については、以前別の記事で注目の企業としてリストアップしました。
この企業が一体どういった企業で、どのような強みを持っているのか、また投資先としてみたときのファンダメンタルズ分析を行い評価してみようと思います。ぜひ参考にしてみてください。
ランドコンピュータとはどんな企業か?
ランドコンピュータ 企業プロフィール
企業プロフィール | |
会社名 | 株式会社ランドコンピュータ R&D Computer Co.,Ltd. |
証券コード | 3924 |
株式市場 | プライム市場 |
本社所在地 | 東京都港区芝浦4丁目13番23号 MS芝浦ビル |
設立年 | 2004年11月1日 |
資本金 | 460,063,700円 |
従業員数 | 583名 |
事業内容 | ▼システムインテグレーション ▼インフラソリューション ▼パッケージソリューション ▼クラウドソリューション ▼組込、制御システム |
ランドコンピュータの事業内容
株式会社ランドコンピュータは、企業や官公庁を顧客として、システムの受託開発やパッケージソフトの導入を支援する事業などを主に行っているシステムインテグレータ(SIer)企業です。取引先には、銀行・カード会社といった金融関係から公共事業、運輸業から製造業に至るまで幅広い業種の企業を顧客網として持っています。
主な事業としては、以下の3つに分かれています。
- システムインテグレーション
- インフラソリューション
- パッケージソフトSI&サービス
システムインテグレーション
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システムインテグレーション事業は、顧客からシステムの受託開発を請け負う事業です。顧客と密接に連携を取りながら顧客の要望に合ったシステムやアプリケーションの企画・設計開発を行い、企業システムとして導入する際のサポートや、その後のアフターメンテナンスまでを実施します。
インフラソリューション
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インフラソリューション事業では、顧客企業の要望をもとに、最適なサーバ・ネットワーク環境を提案し、サーバ・ネットワーク機器の導入から顧客企業内のネットワークシステムの構築を行い、アフターメンテナンスまで実施します。
パッケージSI&サービス
パッケージSI&サービス事業では、Salesforceを主としたクラウド型サービスを顧客企業に導入する支援を行い、それぞれの顧客の抱える課題を解決する事業です。
ランドコンピュータの強みとは?
ランドコンピュータという企業の強みとしては以下の3つが挙げられます。
- 大口顧客との強いつながり
- 難関資格を多数保有する優秀な人材の確保
- 金融・公共向けシステムという参入障壁の高い分野にも参入
上記3つについて順番に説明していきます。
大口顧客との強いつながり
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ランドコンピュータは、パートナーシップ企業に2023年国内No.1のITサービス提供企業である富士通株式会社や総合電機メーカーである株式会社日立製作所が名を連ねています。さらに、主要取引先として株式会社NTTデータや日本電気株式会社(NEC)などの大企業もリストアップされています。こういった大口顧客との強いつながりを築けていることが、ランドコンピュータにとって大きな強みとなっていると考えます。
多数の難関資格を保有する優秀な人材の確保
ランドコンピュータは、人材の育成にも非常に力を入れています。顧客からの信頼を得て要望・課題をヒアリングし解決できるシステムを提案・構築していくためには、優れたスキルが欠かせません。ランドコンピュータの社員には、Oracle Master Database(Platinum)や、Cisco技術者認定(CCNP)といった難関資格の保有者が在籍しています。さらには、以下に示すように資格保有者数・社員の一人あたりの資格保有数も年々増加しており、優秀な人材がそろっていることを裏付けています。
金融・公共向けシステムという参入障壁の高い分野に参入
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ランドコンピュータは、クレジットカード会社やメガバンク・地方銀行・保険会社を顧客とした金融システムや、官公庁を顧客とした公共システムの受託開発実績を持っています。これらの顧客は保守的なため、一度システムを請け負った企業に継続して業務を委託する傾向が強く、競合企業が参入しにくい領域だと考えます。これらの顧客を取引先として持っていることもランドコンピュータの強みとして生きてくるでしょう。
投資先としてみたランドコンピュータ
ランドコンピュータという企業について、投資先としての魅力があるのかファンダメンタルズ分析を行った結果について以下に示していきます。
ランドコンピュータの株価推移
ランドコンピュータの直近5年間の月足の株価チャートを以下に示します。2023年に至るまでは株価には目立ったトレンドもありませんでしたが、2023年に入ってから長期上昇トレンドを形成し、株価が2倍以上に上昇してきていることが分かります。現在は調整中の局面です。
引用元:Tradingview ランドコンピュータ(3924)月足チャート
※赤色ライン:12カ月移動平均線 青色ライン:24カ月移動平均線 緑色ライン:60カ月移動平均線
ランドコンピュータのファンダメンタル分析
ランドコンピュータの株価水準や、収益性・配当性向について主な指標の一覧を以下に示します。
ファンダメンタル分析指標 | |
PER | 13.2倍 |
PBR | 2.8倍 |
ROE | 22.9% |
ROA | 22.8% |
2024年売上予想 | 13500 百万 |
2024年営業利益率予想 | 12.4% |
配当利回り | 4.0% |
配当性向 | 53.4% |
直近10年 配当実績 | 増配6 据置3 |
上記指標から、PER:13.2倍と日本株の平均以下であることから、いまだ株価は割安な水準にいると考えられます。収益性の面ではROE:22.9%、ROA:22.8%、2024年予想営業利益率12.4%と文句なしに高い収益性を挙げています。配当については、配当利回り:4.0%、配当性向53.4%と株主への還元に積極的な姿勢が分かります。直近10年の減配もなく安定しているのも魅力です。
まとめ:企業DX化の流れに乗って成長することを期待!
今回の記事では、注目すべき企業の一つとして株式会社ランドコンピュータをピックアップし解説しました。内容をおさらいすると、株式会社ランドコンピュータは、企業や官公庁を顧客にネットワークシステムの受託開発を行うシステムインテグレータ(SIer)です。強みとして、大口顧客や金融・公共といった保守的な顧客からの信頼を得て取引を持っていることや、資格を多数保有する優秀な人材をそろえていることが挙げられます。
投資先としてみたときのファンダメンタルズ分析の結果からは、株価は上昇トレンドを継続しており、PERもとに株価はいまだ割安水準、ROEや営業利益率をもとに収益性が抜群に高いことが分かります。今後の展望としては、電子帳簿保存法やインボイス制度を皮切りに企業のDX化が進展していく中で、さらなる成長をしていくことが見込める企業だと考えます。