【高品質な小型建機で成長】竹内製作所(6432)について銘柄分析!

銘柄分析

注目している日本企業について、1社ピックアップして紹介していきます。今回は、建設機械メーカの「竹内製作所」について特集します。竹内製作所とはどんな企業で、どんな強みを持っているのか、また現在の株価水準や業績についてファンダメンタル分析した結果を共有したいと思います。興味があれば参考にしていただけると嬉しいです。

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竹内製作所とはどんな企業?

まずは、竹内製作所がどんな企業なのか概要部分から説明します。

竹内製作所 企業プロフィール

企業プロフィール
会社名株式会社竹内製作所
Takeuchi Manufacturing, Ltd.
証券コード6432
業種機械
株式市場東証プライム市場
本社所在地長野県埴科郡坂城町上平205
設立年1963年8月
資本金3,632,940,000円 (2024/2月現在)
従業員数1198名 (2024/2月現在)
事業内容建設機械の開発、製造および販売
▼ミニショベル
▼油圧ショベル
▼クローラーローダー
▼クローラーキャリア
引用元:株式会社竹内製作所|会社概要

竹内製作所の事業概要

株式会社竹内製作所は、小型の建設機械を専門とするメーカーです。主力製品として、コンパクトなのにハイパワーなミニショベルや、悪路でも使い勝手のきくクローラーローダーなどをもっています。

以下のグラフの2024年度2月期の竹内製作所の売上の地域構成比率を見ると、約9割を北米や欧州といった海外が占めており、グローバルに事業展開し利益を上げています。現在の円安環境では追い風が吹いている状況です。

竹内製作所の2024年における売上高の地域別比率を表した円グラフ
出典:株式会社竹内製作所 2024年2月期決算説明資料をもとに筆者作成

竹内製作所 主な製品の紹介

竹内製作所がどういった製品を販売しているのか紹介します。

ミニショベル

竹内製作所の主力製品がミニショベルです。非常にコンパクトなのが一番の特徴です。建設現場での掘削作業や整地作業で活躍しています。

近年は都市化が進み、大きな建設機械を工事現場に入れるのも一苦労になってきています。竹内製作所のミニショベルはその問題を解決できる製品になっています。小型なので細い道路でも通行でき、狭い場所での作業や軟弱地盤での作業ができます。そのうえ、大型の建設機械に対して引けを取らないパワーで掘削・整地作業ができる特徴をもっています。

クローラーローダー

竹内製作所のもう一つの主力製品が、クローラーローダーです。こちらも非常にコンパクトなサイズ感で建設機械として必要になるパワーを兼ね備えています。クローラーローダーは、先ほどのミニショベルと違い、大量の土砂をまとめて運んだり、土砂運搬用のトラックに積み込む作業に長けているタイプの建設機械です。

駆動部がクローラーになっているため、粘土質の軟らかい地盤など足場の悪い場所でも難なく走行できるようになっています。

竹内製作所の強みとは?

竹内製作所は、他の建設機械メーカーに打ち勝っていけるだけの強みを持っているのでしょうか。竹内製作所ならではの3つの強みを挙げて解説します。

  • コンパクトさハイパワーを両立させる技術力
  • 海外顧客のニーズにきめ細かく応える対応力
  • 新機種の開発スピードの速さ

コンパクトさとハイパワーを両立させる技術力

ショベルカーのバケットと掘り起こされた土

竹内製作所の1つ目の強みとして、コンパクトかつハイパワーな建設機械を生み出せる技術力が挙げられます。建設機械は大量の土砂を掘削・運搬するために高いパワーを要求されます。それに伴って建設機械は大型化してしまう傾向があります。

一方で竹内製作所は、1971年に世界で初めてミニショベルを世に送り出した企業として知られており、現在に至るまでに長年の実績を持っています。この実績をもとに建設機械に求められるパワーを満たしながらも、極限までコンパクトな構造にまとめ上げる技術力が強みとして生きています。

海外顧客のニーズにきめ細かく応える対応力

建設現場で紙を見ながら話しある作業員の男性2人

竹内製作所の2つ目の強みとして、あらゆる顧客のニーズを察知し、製品に反映していく対応力の高さが挙げられます。建設機械に求められる機能は、建設機械を操作する人の体格や、利用される場所の地盤、気候、環境規制などによって多岐にわたります。

竹内製作所はグローバルに営業ネットワークを展開し、顧客の生の声からどういった建設機械が求められているのか把握する力を持っています。これにより、各地の建設機械ユーザーが求めている機能をきめ細かく満足させられる製品を提供できるため、海外での売り上げの成長につながっていると考えます。

新製品開発スピードの速さ

竹内製作所の3つ目の強みとして、新製品を開発して市場に出すまでのスピードの速さが挙げられます。ほかの建設機械メーカーが、多彩なラインアップをそろえるために、新製品開発に数年スパンの期間がかかるのに対し、内製作所では小型建設機械というニッチな市場に開発リソースを集中させることで、より短いスパンで新製品を生み出せます。これによって、顧客のニーズがすぐに製品に反映されることで、売り上げ・利益成長につながっていると考えます。

投資先としてみた竹内製作所

続いて、竹内製作所の現在の株価のトレンドや株価水準・収益性などについて分析した結果を紹介していきます。

竹内製作所の株価推移

竹内製作所の2021年7月から2024年7月に至るまでの月足チャートを以下に示します。

2019年4月から2024年7月までの竹内製作所の株価月足チャート
引用元:Trading View 竹内製作所(6432) 株価月足チャート

2023年の4月から、長期的な上昇トレンドに入っており、現在は短期的に下落している局面にあります。これから株価が切り返して上昇トレンドが継続していくのか注目しています。

竹内製作所のファンダメンタルズ分析

続いて、現在の竹内製作所の株価水準がどの程度の位置にあるのか、また収益性・配当性向について参考となる指標の一覧を以下に示します。

ファンダメンタル分析指標
PER8.75倍
PBR1.78倍
ROE19.4%
ROA14.7%
2024年2月期 売上212627 百万
2024年2月期 営業利益率16.6%
配当利回り3.6%
配当性向28.8%
直近10年 配当実績増配10
株式会社竹内製作所 2024年2月期決算短信をもとに2024年7月16日現在株価で計算

竹内製作所の株価水準については、PERが8.75倍と10倍を切るレベルの低さとなっており非常に割安だと考えられます。企業の収益性についても、ROEが19.4%営業利益率も16.6%と文句なしの高い収益を上げている企業だといえます。配当については、利回り3.6%と日本企業の平均より高く、直近10年間に連続で増配を行っており、配当利回りの継続的な上昇が期待できそうです。

竹内製作所の将来性

ミニショベルの操縦席の様子

竹内製作所の今後の業績については、以下のポイントをもとに今後も成長が見込めるのではないかと予想しています。

  • 小型建設機械というニッチな市場に特化している
  • 建設機械は住宅建設やインフラ整備で安定的な需要が見込める
  • 海外でのシェアはまだトップではなく伸びしろがある

小型建設機械というニッチな市場に特化している

他の建設機械メーカが多種多様なラインアップをそろえるのに対し、竹内製作所はミニショベルなどの小型の建設機械にリソースを集中しています。これにより、小型建設機械市場で競合を寄せ付けない活躍を続けていけると期待しています。

建設機械は住宅建設やインフラ整備で安定的な需要が見込める

建設機械業界の大きなニーズとして、住宅の建設やインフラ整備があります。これらのニーズは今後も世界各国で継続的に発生すると予想され、安定して製品が売れていくことが見込めるため業績に安心感があります。

海外売り上げシェアにまだ伸びしろがある

竹内製作所は海外での売上比率が9割を超える企業ではありますが、ミニショベル市場では北米でシェアNo.5、欧州でシェアNo.2とまだトップではありません。竹内製作所の高品質なミニショベルが認められれば、今後さらにシェアを拡大していく伸びしろは十分あると考えます。

まとめ:小型建設機械のニッチ市場で輝く企業に注目!

今回の記事では、今注目すべき企業として建設機械メーカーの「竹内製作所」をピックアップして紹介しました。竹内製作所はミニショベルなどの小型の建設機械に強みを持つメーカーです。小型建設機械にリソースを集中することで、他社にはまねできない素早いスピードで海外顧客のニーズをきめ細かく製品に反映し、海外の市場を着々と開拓して売り上げを伸ばし続けています。

竹内製作所の株価の動きを見てみると、長期的な上昇トレンドが見られPERから見ても割安な水準にあると考えます。また収益性も抜群のため今後も引き続きチェックしていきたいと考えています。