最近日本株をにぎわせている注目ニュースとして、今年11月に行われる米国の大統領選挙があります。現職大統領であるジョー・バイデン氏が所属する民主党から選出される大統領候補と対立候補の共和党のドナルド・トランプ氏の対決となる様相を呈していますが、これに関連して日本株にも銘柄物色の動きが広がってきています。
今回の記事では、アメリカの大統領選とバイデン氏・トランプ氏の政策の違いとトランプ氏が再選を果たした場合の日本株への影響について解説していきたいと思います。あわせて関連するセクターの注目銘柄についてもいくつか紹介したいと思います。ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
2024年米大統領選挙とは?

まずは、今年予定されている米国の大統領選について簡単に紹介します。米国では国のトップである大統領を決める選挙が4年に1度の間隔で行われています。前回2020年に行われた大統領選挙では、民主党の大統領候補ジョー・バイデン氏が、共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏を破り、大統領に就任しました。今年行われる大統領選挙でもこの両者が再び票を争う形が想定されています。今年の11月5日に本選挙が行われ、大統領が決定する予定となっています。
バイデン氏・トランプ氏の政策

現職大統領のバイデン氏が進めている政策とトランプ氏の政策方針について解説していきます。以下の表が6つの観点で両氏の政策の違いについて簡単にまとめた表です。
バイデン氏 | トランプ氏 | |
環境 | EV・再生可能エネルギー投資を推進 | 化石燃料生産拡大に転換 |
防衛 | 同盟国の防衛支援を表明 | 同盟国への防衛費の負担を要求 |
為替 | インフレを抑えつつ緩やかに円高ドル安へ | 早急に円高ドル安に持っていき米国の貿易赤字を縮小 |
関税 | 中国製のEV・鉄鋼などの関税引上げ | 日本含め外国からの輸入製品に原則10%の関税 |
インフラ | 30億ドル超のインフラ投資策を表明 | 10年で1兆ドルのインフラ投資表明 |
仮想通貨 | 取引を厳しく規制 | 自由な取引を推進 |
バイデン氏の政策方針
現職大統領の民主党バイデン氏の政策の特徴としては以下が挙げられます。
- EVや再生可能エネルギーへ投資を進めて、化石燃料生産を減らし環境を保護
- 同盟国の防衛まで米国が積極的に支援する姿勢
- 対中国への強硬姿勢はとりつつも、中国以外の国からの輸入関税引き上げには否定的
- ビットコインなど仮想通貨の取引拡大には否定的姿勢
トランプ氏の政策方針
対する共和党の大統領候補トランプ氏の政策方針の特徴としては以下が挙げられます。
- EV・再生可能エネルギーへの投資をやめ、化石燃料生産を増やしエネルギー大国へ
- 同盟国にも防衛費を負担させる
- 不法移民対策として国境に壁を建設
- 対中国だけでなく、諸外国に対する輸入関税を引き上げ国内企業を優遇
- ビットコインなど仮想通貨の取引拡大に積極的
大統領選の結果と日本株への影響
続いて、今年11月の米国の大統領選挙の結果と日本株への影響について考えてみます。トランプ氏が再び大統領に返り咲いた場合、以下のテーマに該当する銘柄にはプラスにはたらくのではないかと考えられます。
- 防衛:日本の防衛力強化に対する投資加速
- 建設機械:米国における膨大なインフラ投資と国境の壁の建設
- 自動車:EV普及策見直しにより、ハイブリッド車に強い日本企業にはプラスか
防衛関連銘柄

防衛産業に関連する代表的な日本株の銘柄を挙げると以下の企業が考えられます。PERから見て株価に出遅れ感のある川崎重工といすゞ自動車に私は注目しています。
- 三菱重工業(7011)
- 川崎重工(7012)
- IHI(7013)
- 東京計器(7721)
- 三菱電機(6503)
- 日立製作所(6501)
- いすゞ自動車(7202)
建設機械銘柄

日本の建設機械に関連する代表的な銘柄を挙げると以下が考えられます。PERから見た株価の割安さと収益性の高さから、日立建機と竹内製作所に私は特に注目しています。
- 小松製作所(6301)
- 神戸製鋼所(5406)
- 日立建機(6305)
- 住友重機械工業(6302)
- タダノ(6395)
- 竹内製作所(6432)
竹内製作所については、以下の別記事でも詳しく取り上げているのでもしよければ参考にしてみてください。
自動車銘柄

最後に日本の代表的な自動車メーカーの銘柄を以下に挙げています。この中だと収益性が高めなSUBARUに個人的に注目しています。
- トヨタ自動車(7203)
- 本田技研工業(7267)
- 日産自動車(7201)
- SUBARU(7270)
- マツダ(7261)
まとめ:日本株にも影響する米大統領選の行方に注目!
今回の記事では、最近日本株の一大テーマとなりつつある米大統領選とその日本株への影響に関して特集しました。2024年11月に米大統領選の本選挙が行われ、民主党から選出される大統領候補者と対立候補のトランプ氏が表を争うことが想定されています。もし、トランプ氏が大統領に返り咲いた場合、政策内容をもとに、防衛・建設機械・自動車のセクターの銘柄に追い風が吹く可能性があります。日本株の投資先を選ぶ際に、米大統領選との関係性に注目してみるのも一つの手かもしれません。